相続はずっと先のことよりも、今しかできないことに目を向けよう

今の時点で相続対策をするとしたら何をすればよいでしょうか?


遺言書の準備をすること? 保険を活用すること? 外貨預金がいいのかな? 今はやりの信託を使うことかな?


いいえ、違います。

今将来の相続に向けてできる一番大切なことは、親とのコミュニケーション、親と触れ合い、顔を見て話をするようなこと、少しでも触れ合える時間を大切にすること、時間を共有することです。それが今できる最大の相続対策です。




なぜそう考えた方が良いのか、その背景にあるのは近い将来に金融システム、つまりお金の仕組みが変わろうとしているところにあります。これが金融システムが大きく変わったとき、通貨やお金の仕組みが変わったときには、保険預金信託も含めてお金に対する考え方、つまり制度が変わることが考えられます。そして相続対策だと思って良かれと始めたことが通用しなくなったり、場合によっては無効になる可能性もあるからです。




もちろんこれは数年以内に起こることなのか、あるいは十数年かかるのかはまだはっきりと見えているものではありません。しかし数十年先の遠い将来の相続のために、契約をしたり、準備をすることは、無駄になる可能性もあながち否定はできないのです。ですから、相続対策としてあなたの貴重な時間やエネルギーをその準備に注ぐという今までのやり方は、相続がどのくらい先に発生するのかにもよりますが、必ずしも有効だとは言えなくなってきています。

今巷には多くの相続対策本やマニュアルがあふれています。ネットの情報もたくさんあります。遠い将来のシステム変更はどうでも良いから、今のうちに何かうまいやり方を探した方が得だろうと考える人は多いでしょう。

もちろんそういう考え方もあります。その場合には、契約したことが無効になることも覚悟で、一つのやり方に固執せず、幾つかの方法を取り混ぜてやると良いでしょう。つまりリスクを分散するやり方です。


そのような面倒なことはしたくないというのであれば、親との話がうまく進めば今のうちに住宅購入資金や教育資金、結婚資金等の名目で贈与をしてもらう方がずっと簡単で、賢いやり方になるでしょう。 コロナによって健康でいることが一番の財産であり、幸せだと気が付くことができる世の中になりました。健康であり、家族がともにいて心を通い合わせることができることが、お金よりも大切だと私たちは考えるようになってきています。


これからの相続を考える上で心に留めておきたいことは、ずっと先のために契約をしたり、策を見出すことではなくて、目の前にいる家族や親とともにあることに喜びを見出すこと、そしてその時間を大切にすることです。

世の中の動きが加速している中、親が健康であるうちに時間を共有し、話をすることが一番良い対策になると思います。